
昨年大筋合意され、実施は今年末~来年はじめあたりかと言われているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)。この協定が日本のアダルト業界とユーザにどのような影響を与えるかについて考えてみる。仮にアダルト全面禁止という事にでもなれば、みなさんは夜のオカズが、我々はご飯のオカズが無くなってしまう事態なので、無視して通れる問題ではない。
まず今回はタイトルの「TPPでモザイクは無くなるのか?」という問題について語りたい。これが実現したら日本のアダルト文化全体にとって歴史的大事件である。
以前から囁かれていた「TPPでモザイクが無くなるかも?」というウワサは、今回同意されたTPP協定概要 第14章「電子商取引」の2項
「他の締約国において生産等されたデジタル・プロダクトに対し、同種のデジタル・プロダクトに与える待遇よりも不利な待遇を与えてはならない。」
例えばアメリカが作った映像に対して、日本がそれを売れないようにジャマしちゃダメですよ。というくだりに、自由貿易協定についてくるISD条項「自由貿易協定を結んだら、外国企業だけいじめちゃダメですよ。いじめたら賠償請求ですよ。」を加えると
「アメリカの無修正ポルノが売れなくなるから、日本はモザイクはずしてね!」
こういった流れになるだろうという予測に起因している。
ワクワクする予測だが、今回出された上述の同意概要は、見てわかる通り「日本以外のTPP参加国の待遇が悪くて、日本だけ特別待遇という事が、日本国内であってはなりませんよ」という表現に留まっている。
日本はもともとモザイク処理をしているので、他の国のアダルト動画に「販売する時はモザイクをかけてね」と言うのは、協定にある「同種のデジタル・プロダクトに与える待遇よりも不利な待遇」には当てはまらないだろうと思われる。同じになるだけなのだ。
実際、国際協定>>国内法の図式がある以上、可能性はゼロではないが、これを突破するにはアメリカ自体の制度も高いハードルとなる。
アメリカは連邦制なので、無修正OKの州もあれば日本より厳しい州もある。TPPのテーブルに乗せるならまずアメリカ国内を平たくまとめなければならないので、現実にはテーブルに乗せる事さえ難しいだろう、という見方が出来ると思う。
しかもインターネットに流れる無修正コンテンツの現状はみなさんご周知の通り。今さらアメリカポルノ業界が躍起になって日本にモザイクを解禁させる理由が無い。それにもし仮に日本でモザイクが解禁されたら、みんなまずは日本人の無修正に流れるだろう。この場合、アメリカは逆に損をする目もあるのだ。
ましてやISD条項によって損害賠償を起こすのは各国の企業だが、その問題を国内法と照らし合わせて協議するのは各国の行政機関なのだ。民主主義国家の政治家なのだから支持率も重要だろう。ヒラリーかクルーズかルビオかトランプが「おいアベ、はよモザイクはずせ。原ちゃんのマ●コが見たいんじゃヴォケ」とは、政治生命を賭けても言えまい。
いちファンとしては残念な気分もあるが、モザイクについて個人的には「何も変わらないだろう」という見解である。
この他にもTPPについては、著作権・児童ポルノ等々、どうなって行くのか始まってみなければわからない問題がある。今後TPPについても徐々に明らかになって行く部分もあると思うので、機会があれば語って行きたい。
それではみなさん、良いオナニーライフを。